それからの毎日、セルト様は積極的に私に関わってくるようになった。

しかし逃げるという選択肢を封じられた私は、セルト様に触れられようと自室に戻ることすら許されなかった。

セルト様は今日も何故か私を膝の上に乗せて、そっと私の頬を撫でている。

「私の可愛いレシール」

一体どうしてこんなことになってしまったのだろう。

勝負に負けたら離婚を突きつけられてもおかしくないと思っていた。

しかし望まれたのは真逆のこと。

私自身が初めて会った時に「向き合ってほしい」と願ったのだから、何も嫌ではなかったが、私は攻められるのが苦手なのに。