年末が近づいたころには、中宮様が里下がりして祝賀会をお開きになった。
ご両親を亡くして頼りない境遇にいらっしゃったところを、源氏の君は養女にして入内させ、しかも中宮の位にまで推薦なさったの。
その感謝のお気持ちで盛大な祝賀会をしたいと思っておられたけれど、源氏の君は帝のご計画もご辞退なさったくらいだから、遠慮してかなり規模を小さくなさった。
「四十歳から先は長生きする人があまりいないと聞きますから、今回は控えめにしていただきまして、もし五十歳になることができましたら、そのときに今回の分もお祝いしてくださいませ」
と源氏の君はおっしゃっていたけれど、やはり中宮という特別なご身分の方が開かれる会だから、重々しい立派な会になる。
秋の御殿を会場にして、源氏の君に亡き父君のお形見である宝物を差し上げなさる。
中宮様の亡き父君は、東宮のまま若くしてお亡くなりになった方で、由緒正しい宝物をたくさんお持ちだったの。
そういうものがいろいろなところから贈られて、ことごとく源氏の君が受け継ぎなさる。
とてもすべては書ききれないほどで、上流階級の贈り物って別世界よね。
ご両親を亡くして頼りない境遇にいらっしゃったところを、源氏の君は養女にして入内させ、しかも中宮の位にまで推薦なさったの。
その感謝のお気持ちで盛大な祝賀会をしたいと思っておられたけれど、源氏の君は帝のご計画もご辞退なさったくらいだから、遠慮してかなり規模を小さくなさった。
「四十歳から先は長生きする人があまりいないと聞きますから、今回は控えめにしていただきまして、もし五十歳になることができましたら、そのときに今回の分もお祝いしてくださいませ」
と源氏の君はおっしゃっていたけれど、やはり中宮という特別なご身分の方が開かれる会だから、重々しい立派な会になる。
秋の御殿を会場にして、源氏の君に亡き父君のお形見である宝物を差し上げなさる。
中宮様の亡き父君は、東宮のまま若くしてお亡くなりになった方で、由緒正しい宝物をたくさんお持ちだったの。
そういうものがいろいろなところから贈られて、ことごとく源氏の君が受け継ぎなさる。
とてもすべては書ききれないほどで、上流階級の贈り物って別世界よね。



