野いちご源氏物語 三四 若菜(わかな)上

それからおふたりは、文通をしたり、ちょっとした遊びをしたりして、親しくお付き合いなさっている。
姫宮(ひめみや)様がご降嫁(こうか)なさったばかりのころ、世間は、
(むらさき)(うえ)はどのようにお思いになるだろう。源氏(げんじ)(きみ)のご愛情も今までどおりというわけにはいかないはずだから、多少は寂しい思いをなさるだろう」
(うわさ)していた。
でも実際はご愛情は深まるばかりで、そうなったら今度は姫宮様にご同情してあれこれ言う人がいたけれど、こうして親しくなさっていることが知られると噂も収まっていった。