野いちご源氏物語 三四 若菜(わかな)上

今夜は(むらさき)(うえ)姫宮(ひめみや)様にご挨拶(あいさつ)なさるということで、源氏(げんじ)(きみ)はどちらにも()()ねなく朧月夜(おぼろづきよ)尚侍(ないしのかみ)様のところへお出かけになる。
<誰かに見られて(うわさ)になったら、身分にふさわしくない振舞いだと非難(ひなん)されるだろう>
とお思いになるけれど、尚侍(ないしのかみ)様の魅力にはかなわないの。