上皇様のお悩みは東宮様のお耳にも届いた。
妹宮のことをご心配なさって、はっきりではないけれどお考えをおっしゃる。
「目先のことよりも、百年後や千年後のお手本となるようなご結婚になさった方がよろしいでしょう。いくら人柄に問題がなくても、やはり貴族では内親王のご結婚相手にふさわしくありません。ここはやはり、上皇待遇をお受けになっている源氏の君に、親代わりということでお譲りなされませ」
上皇様は大きくうなずかれる。
「本当にそのとおりだ。よくおっしゃってくださった」
いよいよご決心なさって、姫宮様の乳母の兄から源氏の君に内々にお伝えなさった。
妹宮のことをご心配なさって、はっきりではないけれどお考えをおっしゃる。
「目先のことよりも、百年後や千年後のお手本となるようなご結婚になさった方がよろしいでしょう。いくら人柄に問題がなくても、やはり貴族では内親王のご結婚相手にふさわしくありません。ここはやはり、上皇待遇をお受けになっている源氏の君に、親代わりということでお譲りなされませ」
上皇様は大きくうなずかれる。
「本当にそのとおりだ。よくおっしゃってくださった」
いよいよご決心なさって、姫宮様の乳母の兄から源氏の君に内々にお伝えなさった。



