内大臣様からのお手紙を源氏の君にお見せなさる。
「何かお考えがあってお招きになったのだろう。あちらから結婚を申し込んでくるなら、大宮様のお顔に泥を塗ったことも許してやらぬでもない」
内大臣様への負けん気がときどき顔を出すのよね。
「そのようなお話ではないかもしれません。ただお屋敷の藤が例年よりも美しく咲いたので、音楽会がてら私に自慢しようと思い立たれただけなのかも」
源氏の君は小さくお笑いになっておっしゃる。
「わざわざご子息まで寄越されたのだ。早く行ってさしあげなさい」
それでも無事にご結婚にたどりつけるか、父親としてはご心配なの。
「その着物の色は身分に釣り合っていないな。そなたはもう上級貴族なのだから、それらしい格好で出かけなさい」
ご自分のすばらしいお着物を若君におあげになった。
「何かお考えがあってお招きになったのだろう。あちらから結婚を申し込んでくるなら、大宮様のお顔に泥を塗ったことも許してやらぬでもない」
内大臣様への負けん気がときどき顔を出すのよね。
「そのようなお話ではないかもしれません。ただお屋敷の藤が例年よりも美しく咲いたので、音楽会がてら私に自慢しようと思い立たれただけなのかも」
源氏の君は小さくお笑いになっておっしゃる。
「わざわざご子息まで寄越されたのだ。早く行ってさしあげなさい」
それでも無事にご結婚にたどりつけるか、父親としてはご心配なの。
「その着物の色は身分に釣り合っていないな。そなたはもう上級貴族なのだから、それらしい格好で出かけなさい」
ご自分のすばらしいお着物を若君におあげになった。



