まだ元服なさって間もないころ、雲居の雁の乳母に位階を馬鹿にされたことを中納言様は覚えていらっしゃる。
女君のおそばに控えている乳母を、
「六位だった私がまさか中納言になるとは思わなかっただろう。私の幼い心をよくも傷つけてくれたね」
とおからかいになる。
若く美しい婿君に恐縮しながら乳母は取りつくろう。
「源氏の君のお子でいらっしゃるのですから、ご出世なさらないはずがないと内心では思っておりました。その節は大変失礼いたしました」
女君のおそばに控えている乳母を、
「六位だった私がまさか中納言になるとは思わなかっただろう。私の幼い心をよくも傷つけてくれたね」
とおからかいになる。
若く美しい婿君に恐縮しながら乳母は取りつくろう。
「源氏の君のお子でいらっしゃるのですから、ご出世なさらないはずがないと内心では思っておりました。その節は大変失礼いたしました」



