野いちご源氏物語 三三 藤裏葉(ふじのうらば)

上皇(じょうこう)様と同格(どうかく)になった源氏(げんじ)(きみ)は政治家を引退なさったから、内大臣(ないだいじん)様が次の太政(だいじょう)大臣(だいじん)におなりになった。
若君(わかぎみ)中納言(ちゅうなごん)昇進(しょうしん)なさる。
いつまでも若君とお呼びするのは恐れ多いから、これからは中納言様とお呼びいたしましょう。

中納言様は(みかど)にお礼を申し上げるため参内(さんだい)なさる。
光るようなお美しさに(みが)きがかかった婿君(むこぎみ)を、新太政大臣様はほほえんでご覧になる。
<姫は中納言と結婚させて正解だった。東宮(とうぐう)様の後宮(こうきゅう)で他のお(きさき)様と厳しい競争をするより、この方が幸せだっただろう>