入内当日の夜は紫の上が付き添われた。
紫の上と姫君は、特別に許可された乗り物で内裏のなかを移動なさる。
その後ろを明石の君は女房たちと歩く。
<私の恥ずかしさなどはどうでもよいけれど、生母がこのような身分であることが姫君のご出世の障害にならないだろうか。いっそ早くに死んでいれば、多少は大目に見てもらえたかもしれないのに>
心苦しく思いながらお供をしていた。
目立つような儀式はしないでおこうと源氏の君はお思いになるけれど、自然と大げさになる。
これ以上なく美しく着飾った姫君をご覧になって、紫の上はうっとりなさる。
<ご生母などに渡したくない。これが本当に私の生んだ姫であったなら>
それは源氏の君も若君も同じように思っておいでなの。
紫の上と姫君は、特別に許可された乗り物で内裏のなかを移動なさる。
その後ろを明石の君は女房たちと歩く。
<私の恥ずかしさなどはどうでもよいけれど、生母がこのような身分であることが姫君のご出世の障害にならないだろうか。いっそ早くに死んでいれば、多少は大目に見てもらえたかもしれないのに>
心苦しく思いながらお供をしていた。
目立つような儀式はしないでおこうと源氏の君はお思いになるけれど、自然と大げさになる。
これ以上なく美しく着飾った姫君をご覧になって、紫の上はうっとりなさる。
<ご生母などに渡したくない。これが本当に私の生んだ姫であったなら>
それは源氏の君も若君も同じように思っておいでなの。



