式部卿の宮様はこのことをお聞きになって、苦々しそうにおっしゃる。
「右大将が新しい女性を迎えて大切にしているのなら、その屋敷の片隅に縮こまって暮らしつづけるのは人聞きが悪い。私が生きている間は、そのように我慢して夫に従わなくてもよい」
ご正妻を実家である宮邸に引き取ろうと、お部屋の準備をなさる。
<生まれ育った父宮のお屋敷ではあるけれど、このような境遇になって帰るのも>
父宮にまでご心配をおかけしたことをお悩みになるあまり、ますますご体調が悪くなって寝込んでしまわれる。
もともとのご性格はおとなしく素直で、子どものように無邪気な方なのだけれど、ときどき発作が起きてとんでもない行動をなさるの。
「右大将が新しい女性を迎えて大切にしているのなら、その屋敷の片隅に縮こまって暮らしつづけるのは人聞きが悪い。私が生きている間は、そのように我慢して夫に従わなくてもよい」
ご正妻を実家である宮邸に引き取ろうと、お部屋の準備をなさる。
<生まれ育った父宮のお屋敷ではあるけれど、このような境遇になって帰るのも>
父宮にまでご心配をおかけしたことをお悩みになるあまり、ますますご体調が悪くなって寝込んでしまわれる。
もともとのご性格はおとなしく素直で、子どものように無邪気な方なのだけれど、ときどき発作が起きてとんでもない行動をなさるの。



