尚侍様はもともと明るく華やかなご性格なのに、右大将様とご結婚なさってからはどんよりと沈んでいらっしゃる。
<私から望んだ結婚でないことはどなたもお分かりだろうけれど、源氏の君はどうお思いになっているだろうか。兵部卿の宮様は、おやさしく情け深い方でいらっしゃった>
この状況を恥ずかしく悔しくお思いになっている。
源氏の君は、身の潔白を証明できたことだけは満足しておられる。
<誰もが私と姫君の関係を疑っていたが、これで清い関係だと分かってもらえただろう。案外私はそういうところはきちんとしているのだ>
ご自分の理性を評価なさって、
「あなたも疑っていらっしゃったのでしょう」
と紫の上にご冗談をおっしゃった。
<こうなってから手を出したらそれこそ大変なことになる>
と気を引き締めても、恋心が苦しくなったときにはふらついてしまわれる。
きっぱりと尚侍様を諦めることはおできにならないの。
<私から望んだ結婚でないことはどなたもお分かりだろうけれど、源氏の君はどうお思いになっているだろうか。兵部卿の宮様は、おやさしく情け深い方でいらっしゃった>
この状況を恥ずかしく悔しくお思いになっている。
源氏の君は、身の潔白を証明できたことだけは満足しておられる。
<誰もが私と姫君の関係を疑っていたが、これで清い関係だと分かってもらえただろう。案外私はそういうところはきちんとしているのだ>
ご自分の理性を評価なさって、
「あなたも疑っていらっしゃったのでしょう」
と紫の上にご冗談をおっしゃった。
<こうなってから手を出したらそれこそ大変なことになる>
と気を引き締めても、恋心が苦しくなったときにはふらついてしまわれる。
きっぱりと尚侍様を諦めることはおできにならないの。



