十一月になった。
内裏で行事の多い月よ。
玉葛の尚侍様は、六条の院でお仕事をなさっている。
女官たちが内裏からやって来ては行事のことで相談したり指示を仰いだりするから、尚侍様のお部屋はにぎやかに活気づいた。
右大将様は隠れてそれをご覧になっているの。
<鬱陶しい>と尚侍様はお思いになる。
長年堅物で通してきた人なのに、そんな気配はもう微塵も残っていない。
尚侍様のことばかり考えて、せっせと六条の院にお通いになる。
女房たちはあまりの変わりようにおかしく思っている。
内裏で行事の多い月よ。
玉葛の尚侍様は、六条の院でお仕事をなさっている。
女官たちが内裏からやって来ては行事のことで相談したり指示を仰いだりするから、尚侍様のお部屋はにぎやかに活気づいた。
右大将様は隠れてそれをご覧になっているの。
<鬱陶しい>と尚侍様はお思いになる。
長年堅物で通してきた人なのに、そんな気配はもう微塵も残っていない。
尚侍様のことばかり考えて、せっせと六条の院にお通いになる。
女房たちはあまりの変わりようにおかしく思っている。



