野いちご源氏物語 三一 真木柱(まきばしら)

内密(ないみつ)にはじまったおふたりのご結婚生活だけれど、自然と世間の(うわさ)になって、ついに(みかど)のお耳にまで届いた。
「残念ながら私とは(えん)のない人だったのだな。しかし(みや)(づか)えを取りやめにする必要はないだろう。尚侍(ないしのかみ)としての仕事は結婚していてもできるのだから」
とお命じになる。