右大将様は一日も早く姫君をご自分のお屋敷に引き取りたくていらっしゃる。
でも、お屋敷にはご正妻がいらっしゃるの。
姫君のことをよくお思いになるはずがない。
「もう少しおだやかに、どなたからも恨みを買わないように動かれた方がよろしいでしょう」
ご正妻がお気の毒だという口実で、源氏の君は姫君のお引越しに反対なさる。
一方、実父の内大臣様は、このご結婚に満足しておられる。
「宮仕えなさるよりも、かえってこの方が正解だろう。たいした後見もなく内裏に上がって苦労なさるのはおかわいそうだから。もちろん私もお役に立ちたいとは思っているが、弘徽殿の女御様をさしおいてお世話するわけにはいかない」
こっそりとそんなことをおっしゃっていたみたい。
たしかに、いくら帝のご愛情をいただいたとしても、尚侍のご身分ではご立派なお妃様たちに並ぶことはできない。
一番格下のお立場で薄いご愛情をいただくのはおつらいでしょうね。
ご結婚から三日目の夜には源氏の君が盛大な儀式をなさった。
これで正式に右大将様と姫君はご夫婦になられたの。
内大臣様は人づてに聞いて、そこまで面倒を見てくださった源氏の君に感謝なさった。
でも、お屋敷にはご正妻がいらっしゃるの。
姫君のことをよくお思いになるはずがない。
「もう少しおだやかに、どなたからも恨みを買わないように動かれた方がよろしいでしょう」
ご正妻がお気の毒だという口実で、源氏の君は姫君のお引越しに反対なさる。
一方、実父の内大臣様は、このご結婚に満足しておられる。
「宮仕えなさるよりも、かえってこの方が正解だろう。たいした後見もなく内裏に上がって苦労なさるのはおかわいそうだから。もちろん私もお役に立ちたいとは思っているが、弘徽殿の女御様をさしおいてお世話するわけにはいかない」
こっそりとそんなことをおっしゃっていたみたい。
たしかに、いくら帝のご愛情をいただいたとしても、尚侍のご身分ではご立派なお妃様たちに並ぶことはできない。
一番格下のお立場で薄いご愛情をいただくのはおつらいでしょうね。
ご結婚から三日目の夜には源氏の君が盛大な儀式をなさった。
これで正式に右大将様と姫君はご夫婦になられたの。
内大臣様は人づてに聞いて、そこまで面倒を見てくださった源氏の君に感謝なさった。



