一晩中お祈りでお体を引きずられて泣き騒がれたから、朝は疲れ果てて少しお眠りになった。
その間に右大将様は尚侍様にお手紙をお書きになる。
「昨夜はこちらに急病人が出まして、雪もひどかったものですから、そちらに上がれませんでした。あなたのご不快はもちろんですが、女房たちも私のことを悪く思ったのではないかと心配しております。空だけではなく私の心も乱れて、ひとりで寂しく寝ましたが、とても耐えられませんでした」
雪のように白い紙に貫禄のある雰囲気で書かれている。
とくにおもしろくもない内容だけれど、筆跡はお美しい。
やさしくうっとりするような恋文よりも、きっちりとした公式の文書の方がお得意な方なのでしょうね。
尚侍様はご訪問がなかったことなどまったく気にしておられない。
お手紙もご覧にならなかったから、当然お返事もない。
右大将様はおろおろしていらっしゃる。
ご正妻はまだ正気を取り戻されないから、新しいお祈りをお始めになった。
<しばらくの間でよいからおとなしくしていただきたい。あの人をこの屋敷に引き取ることができなくなってしまう。私は昔の妻の姿を知っているからまだよいが、そうでなければとても付き合いきれないひどいご病気だ>
と疲れきっていらっしゃる。
その間に右大将様は尚侍様にお手紙をお書きになる。
「昨夜はこちらに急病人が出まして、雪もひどかったものですから、そちらに上がれませんでした。あなたのご不快はもちろんですが、女房たちも私のことを悪く思ったのではないかと心配しております。空だけではなく私の心も乱れて、ひとりで寂しく寝ましたが、とても耐えられませんでした」
雪のように白い紙に貫禄のある雰囲気で書かれている。
とくにおもしろくもない内容だけれど、筆跡はお美しい。
やさしくうっとりするような恋文よりも、きっちりとした公式の文書の方がお得意な方なのでしょうね。
尚侍様はご訪問がなかったことなどまったく気にしておられない。
お手紙もご覧にならなかったから、当然お返事もない。
右大将様はおろおろしていらっしゃる。
ご正妻はまだ正気を取り戻されないから、新しいお祈りをお始めになった。
<しばらくの間でよいからおとなしくしていただきたい。あの人をこの屋敷に引き取ることができなくなってしまう。私は昔の妻の姿を知っているからまだよいが、そうでなければとても付き合いきれないひどいご病気だ>
と疲れきっていらっしゃる。



