お行列が(たか)()りの会場に到着した。
貴族たちが食事や着替えをしていると、六条(ろくじょう)(いん)源氏(げんじ)(きみ)からお酒や果物が届いたの。
本当はお(とも)をするよう(みかど)からご命令があったけれど、(うらな)いの結果がよろしくないという理由でお屋敷に(こも)っていらっしゃる。
帝はお使者(ししゃ)()りで()ったばかりの(きじ)をお与えになった。

「昔は太政(だいじょう)大臣(だいじん)が鷹狩りに供をしたことだってあったのですから、あなたにも供をしてほしかった」
この帝からのご伝言を伝えたお使者を、源氏の君は丁寧にもてなして、お返事をお預けになる。
「これまでにないほど、お供の多い盛大な行幸(みゆき)と存じます」
人づてに聞いたやりとりだから、今となっては間違っているところがあるかもしれないけれど。