兵部卿の宮様が正式に求婚なさった。
「裳着もすまされたのですから」
とお願いなさるけれど、源氏の君はお許しもお断りもなさらない。
「実は、帝から『尚侍として宮仕えさせよ』というお話をいただいておりまして、その件がどうなるかまだ分からないのです。結婚のことはそれがはっきりしてから改めて考えさせていただきたいと存じます」
内大臣様はほのかにご覧になった姫君にもう一度お会いになりたくてたまらなくなっていらっしゃる。
<よほどの器量でなければ、あれほど源氏の君が大切にはなさるまい>
と期待しておられるの。
夢占い師の占いにもやっと納得なさった。
弘徽殿の女御様にだけは事情をご説明しておかれる。
「裳着もすまされたのですから」
とお願いなさるけれど、源氏の君はお許しもお断りもなさらない。
「実は、帝から『尚侍として宮仕えさせよ』というお話をいただいておりまして、その件がどうなるかまだ分からないのです。結婚のことはそれがはっきりしてから改めて考えさせていただきたいと存じます」
内大臣様はほのかにご覧になった姫君にもう一度お会いになりたくてたまらなくなっていらっしゃる。
<よほどの器量でなければ、あれほど源氏の君が大切にはなさるまい>
と期待しておられるの。
夢占い師の占いにもやっと納得なさった。
弘徽殿の女御様にだけは事情をご説明しておかれる。



