女君たちからのお返事や、お使者へのご褒美はそれぞれ立派なものだった。
でもそのなかに、奇妙なものが混ざっていたの。
常陸の宮様の姫君は、今は二条の東の院に引き取られて住んでいらっしゃる。
六条の院の女君たちほどきちんとした物をお返しになる必要はない。
他の方たちよりも控え目になさるくらいがちょうどよいはずなの。
ところがこの姫君は格式ばったお考えの方だから、お使者へのご褒美として、派手なのに貧相で古ぼけたお着物をお与えになった。
お返事は、分厚くて野暮ったい紙の、古くなって黄ばんでいるようなものに書いてある。
香りだけはしっかりと焚きしめてあった。
「こんなものをいただいてはかえってつらくなってしまいます。着てみましたらあなた様を恨む気持ちが湧き上がってまいりました。あぁ、唐衣。いっそお返ししとうございます。私の涙で袖が濡れた着物を」
古めかしいご筆跡で、お礼でもないことが書かれていたの。
源氏の君が苦笑いしながらしげしげとご覧になっているので、紫の上も気になってしまわれる。
<あの姫君はむやみやたらと古めかしく振舞われる。見苦しいからおやめになったらよいのに>
と思うと我慢できず、つい紫の上にお話しになる。
「ご立派なお手紙なのですよ。昔の人たちは、『唐衣』とか『袖が濡れる』のような表現をよく使いましたからね。私の文章だって古くさい方だけれど、この姫君は流行りの言葉は一切お使いにならない」
とお笑いになった。
でもそのなかに、奇妙なものが混ざっていたの。
常陸の宮様の姫君は、今は二条の東の院に引き取られて住んでいらっしゃる。
六条の院の女君たちほどきちんとした物をお返しになる必要はない。
他の方たちよりも控え目になさるくらいがちょうどよいはずなの。
ところがこの姫君は格式ばったお考えの方だから、お使者へのご褒美として、派手なのに貧相で古ぼけたお着物をお与えになった。
お返事は、分厚くて野暮ったい紙の、古くなって黄ばんでいるようなものに書いてある。
香りだけはしっかりと焚きしめてあった。
「こんなものをいただいてはかえってつらくなってしまいます。着てみましたらあなた様を恨む気持ちが湧き上がってまいりました。あぁ、唐衣。いっそお返ししとうございます。私の涙で袖が濡れた着物を」
古めかしいご筆跡で、お礼でもないことが書かれていたの。
源氏の君が苦笑いしながらしげしげとご覧になっているので、紫の上も気になってしまわれる。
<あの姫君はむやみやたらと古めかしく振舞われる。見苦しいからおやめになったらよいのに>
と思うと我慢できず、つい紫の上にお話しになる。
「ご立派なお手紙なのですよ。昔の人たちは、『唐衣』とか『袖が濡れる』のような表現をよく使いましたからね。私の文章だって古くさい方だけれど、この姫君は流行りの言葉は一切お使いにならない」
とお笑いになった。



