紫の上には、夕顔の君とのことをすべてお話しなさった。
姫君がご自分のお子ではなく、内大臣様のお子であることもお話しになったわ。
ずっと内緒にしていらっしゃったことを紫の上はお恨みになったけれど、
「生きている人のことだって聞かれてもいないのに話しはしません。まして亡くなった人のことですから。こうして打ち明けたということは、それだけあなたが特別な人だということですよ」
とうまくごまかしてしまわれる。
「『女性と恋人関係になると何かと面倒なことが起きる』と人から聞いていましたからね、私は遊びの恋愛はするまいと思って生きてきたのですよ。それでも、真面目な恋の相手にふさわしくない女性と関係をもったこともあります。夕顔の君はその一人ですが、おっとりとしてかわいらしいという点では最高の女性でした。もし生きていれば、明石の君と同じくらいに大切にしたでしょう。頭の回転が速い人ではなかったけれど、上品でおっとりとした人でした」
「それはどうでしょう。明石の君に並ぶほどお愛しになる方なんて、なかなかいらっしゃらないのでは」
と紫の上はおっしゃる。
明石の君に対する源氏の君のご愛情が深いことに、いつも嫉妬なさっているの。
ご身分が違いすぎるから、本当は気になさる必要はないのだけれど。
お隣では明石の姫君がお話を聞いていらっしゃる。
無邪気でおかわいらしいご様子を紫の上はご覧になって、
<これだけかわいらしい姫君をお生みになったのだもの、仕方がないことかもしれない>
とお諦めになる。
姫君がご自分のお子ではなく、内大臣様のお子であることもお話しになったわ。
ずっと内緒にしていらっしゃったことを紫の上はお恨みになったけれど、
「生きている人のことだって聞かれてもいないのに話しはしません。まして亡くなった人のことですから。こうして打ち明けたということは、それだけあなたが特別な人だということですよ」
とうまくごまかしてしまわれる。
「『女性と恋人関係になると何かと面倒なことが起きる』と人から聞いていましたからね、私は遊びの恋愛はするまいと思って生きてきたのですよ。それでも、真面目な恋の相手にふさわしくない女性と関係をもったこともあります。夕顔の君はその一人ですが、おっとりとしてかわいらしいという点では最高の女性でした。もし生きていれば、明石の君と同じくらいに大切にしたでしょう。頭の回転が速い人ではなかったけれど、上品でおっとりとした人でした」
「それはどうでしょう。明石の君に並ぶほどお愛しになる方なんて、なかなかいらっしゃらないのでは」
と紫の上はおっしゃる。
明石の君に対する源氏の君のご愛情が深いことに、いつも嫉妬なさっているの。
ご身分が違いすぎるから、本当は気になさる必要はないのだけれど。
お隣では明石の姫君がお話を聞いていらっしゃる。
無邪気でおかわいらしいご様子を紫の上はご覧になって、
<これだけかわいらしい姫君をお生みになったのだもの、仕方がないことかもしれない>
とお諦めになる。



