借りている僧侶の部屋からは、今から参拝しにくる人たちが見える。
小高いところにあるから、近くの初瀬川も見おろせるの。
「初瀬川といえば有名な二本杉がございますね。あそこで多くの人が再会を願ったそうですが、私もそのおかげで姫君にお会いできたのでしょうか」
と右近が申し上げると、姫君は、
「私は母君のことをほとんど覚えていないから、そなたに会えて、昔の話を聞けてよかったと思います」
とお泣きになる。
右近は、
<お顔がいくらお美しくても、話し方や振舞いが田舎びていらっしゃったら台無しだとご心配申し上げていたけれど、なんとまぁ、田舎でこれほど優雅にお育ちになったとは。乳母殿のご教育に感謝しなければ>
と思っている。
夕顔の君は、お年のわりに少女らしくおっとりとして、可憐な雰囲気でいらっしゃった。
こちらの姫君は、いかにもご立派なお血筋だという気高さがおありになる。
<九州はそれほど上品な土地柄なのだろうか>
と右近は首をかしげて考えてみるけれど、納得できない。
その夜も、姫君一行と右近はお堂に上がってお参りをした。
小高いところにあるから、近くの初瀬川も見おろせるの。
「初瀬川といえば有名な二本杉がございますね。あそこで多くの人が再会を願ったそうですが、私もそのおかげで姫君にお会いできたのでしょうか」
と右近が申し上げると、姫君は、
「私は母君のことをほとんど覚えていないから、そなたに会えて、昔の話を聞けてよかったと思います」
とお泣きになる。
右近は、
<お顔がいくらお美しくても、話し方や振舞いが田舎びていらっしゃったら台無しだとご心配申し上げていたけれど、なんとまぁ、田舎でこれほど優雅にお育ちになったとは。乳母殿のご教育に感謝しなければ>
と思っている。
夕顔の君は、お年のわりに少女らしくおっとりとして、可憐な雰囲気でいらっしゃった。
こちらの姫君は、いかにもご立派なお血筋だという気高さがおありになる。
<九州はそれほど上品な土地柄なのだろうか>
と右近は首をかしげて考えてみるけれど、納得できない。
その夜も、姫君一行と右近はお堂に上がってお参りをした。



