野いちご源氏物語 二二 玉葛(たまかずら)

姫君(ひめぎみ)一行(いっこう)は、三日間お寺にお参りするつもりで来ていた。
右近(うこん)はすぐに帰るつもりだったけれど、
<せっかくお会いできたのだから、ゆっくりお話がしたい>
と思って、お参りの延長を僧侶(そうりょ)に頼んだ。

その理由を僧侶に伝える。
「ずっとお探し申し上げていた姫君が、ついに見つかりました。そのお礼と、姫君のお幸せをお祈りしたいのです」
と右近が言うと、
「それはよろしゅうございましたね。長年お祈りなさっていたご利益(りやく)でしょう」
と僧侶は優しく答える。