それ以来若君からのお手紙はない。
やはり雲居の雁が恋しくて、そちらのことばかり考えていらっしゃるの。
<どうにかして会いたい>
とお思いになるけれど、姫君は内大臣様のお屋敷に引き取られてしまったのだから、お会いになれるはずもない。
姫君がいらっしゃらなくなった大宮様のお屋敷へ行く気にもおなりになれない。
行けば、姫君との思い出に苦しくなってしまうもの。
結局、二条の東の院に引きこもっていらっしゃる。
源氏の君は東の院の花散里の君に、若君の後見役をお願いなさった。
「大宮様はご高齢ですから、お亡くなりになった後、あなたに後見していただきたいのです。そのために今のうちから世話をしてやってください」
とおっしゃると、花散里の君は素直な方でいらっしゃるから、若君を大切にお世話なさる。
やはり雲居の雁が恋しくて、そちらのことばかり考えていらっしゃるの。
<どうにかして会いたい>
とお思いになるけれど、姫君は内大臣様のお屋敷に引き取られてしまったのだから、お会いになれるはずもない。
姫君がいらっしゃらなくなった大宮様のお屋敷へ行く気にもおなりになれない。
行けば、姫君との思い出に苦しくなってしまうもの。
結局、二条の東の院に引きこもっていらっしゃる。
源氏の君は東の院の花散里の君に、若君の後見役をお願いなさった。
「大宮様はご高齢ですから、お亡くなりになった後、あなたに後見していただきたいのです。そのために今のうちから世話をしてやってください」
とおっしゃると、花散里の君は素直な方でいらっしゃるから、若君を大切にお世話なさる。



