宝石アモル〜呪いを祓う転校生〜

 見ると、リオくんはおばさんのネックレスを(にら)むように見てた。リオくんも石だからわかったみたい。
 でも永遠は確信が持てないのか、ブラックダイヤモンドと周りをチラチラと見ているだけ。やっぱりディコルの存在は石じゃないとわからないんだな。
 まあ、だから私みたいな石の声を聞く人が必要なんだろうけど。

「外暑くなってきたでしょう? ジュース用意するからリビングで待ってて?」
「はい、ありがとうございます」

 優しくほほ笑むおばさんは不機嫌(ふきげん)そうには見えない。
 ()れてるって言ってた柚乃の言葉がウソみたい。
 でも、柚乃がそんなウソつくわけない。

 そう思って警戒していたら、おばさんは柚乃に声をかけた。

「柚乃、みんなを案内したらジュース運ぶの手伝ってね」
「うん、わかった」

 普通の会話に見える。
 でも、柚乃の返事を聞いた後のおばさんの表情が一瞬変わった。
 なんていうか、イラッとしているような顔。

 でも柚乃は気づかなかったのか、リビングに案内してくれると嬉しそうにお礼を言う。

「ありがとう、要芽。みんなが来てくれたからかな? お母さんの機嫌も良くなったみたい」
「あ……」

 おばさんが機嫌悪そうな顔をしてたこと伝えるべきかな? って思ったけど、柚乃はすぐにリビングから出て行っちゃった。
 心配だからついて行こうか迷っていると、永遠が話しだす。