宝石アモル〜呪いを祓う転校生〜

(うん、なにか知らないかな?)
『そうね、なんとなく気配は感じたのだけれど……どの石なのか、まではわからないわ。ごめんなさい』
(ううん、ありがとう)

 アクアマリンも知らないみたいだけれど、この店にあるのはたしかだってわかった。
 私はアクアマリンのイヤリングを置いて、ブルーサファイアのネックレスを手に取る。

 深い青色のブルーサファイア。
 石言葉は誠実(せいじつ)守護(しゅご)博愛(はくあい)
 神さまとつながる石って言われてて、昔からえらい宗教者が身に着けたんだって。

 結婚に(みちび)くとも言われてて、私も大人になったら身につけてみたい宝石の一つなんだよね。

(えっと、こんにちは。ディコルのこと聞いていいかな?)

 ペンダントトップの青い石にふれながら聞くと、かたそうな、でも聞いてて安心できるような男の人みたいな声が聞こえた。

『ああ、かなり強い呪いの気配を感じた。この店に一つあるのは確実なのだ』
(わかった、ありがとう)

 お礼を伝えてブルーサファイアを置く。
 三つの石はこの店に確実に呪われた石があるって言ってる。
 しかも強力な呪いになってるっぽい。

 そんな石放っておけないよね。
 でもどこにあるのか、どの石かはまだわからない。
 私は最後にインペリアルトパーズのブローチに手を伸ばした。