宝石アモル〜呪いを祓う転校生〜

「じゃあまた学校でね!」

 私はあわてて澪音くんに別れのあいさつをしてお店の中に入った。
 一連の様子を見守っていた春花さんは、「あらあら」と口元に軽く手をそえてほほ笑ましいものを見る目になっている。

 ちょっと様子のおかしい永遠と、よくわからない態度になってる春花さんに『なんなの?』って思ったけれど、お店の中の様子を目にしたら全部がどうでもよくなっちゃった。
 だって、お店の中は普通のジュエリーショップと変わらない感じだったんだもん。
 百貨店やテレビで見た雰囲気と同じだって思った。

「はわわわ」

 ダイヤモンド、エメラルド、ルビー。他にも色んな宝石が色んな形で置かれてる。
 素敵すぎる!
 こんなところなら一日中いても()きないよ!

 ショーケースにかじりつくように中の宝石たちをながめた。

「お前、ホント宝石好きなのな……」

 永遠のあきれた声が聞こえたけれど気にならない。

 引かれたってかまわない。
 だってガマンなんてできないよ。
 このきらめきを堪能(たんのう)しないと!

「でもほら、そこで見てるだけじゃあ手伝いにならないから。母さんのところ行くぞ、さわらなきゃ意味ないからな」
「!?」

 さわっ、さわっていいの!?