宝石アモル〜呪いを祓う転校生〜

 そんな感じで話しながら歩いて、ついた場所は街の中心部。
 【質】って文字が大きくついた看板が立っている『ジュエリー・ルーメン』っていうお店だ。
 中には入ったことないけど、どんなところだろう?

 ドキドキしながら店に近づくと、丁度ドアが開いて見知った顔が現れた。

「え? 澪音くん?」
「ん? あれ? かなちゃん?」

 質屋(しちや)さんのお店から一人で出てきたからビックリしちゃったよ。
 澪音くんもめずらしく私と休みの日に会ったからか、目を丸くして驚いてた。

「そっちは転校生だっけ? なんだよ、休みの日に一緒に出かけるとか……もう二人ともそんな仲良くなってんの?」

 僕は一緒に出かけたことないのに、ってなぜかすねる澪音くん。
 そんなすねられても……澪音くんが私と一緒に出かける用事なんてないでしょ。

「まあ、友だちだし。それより澪音くんはどうしてここに? 小学生が一人で入るようなお店じゃないよね?」
「ああ、ちょっと探し物しててさ。でもなかったからもう帰るとこなんだ」

 澪音くんは手のひらを上に向けて肩をすくめた。
 残念、といった様子だけれど、仕方ないって思ってるのか落ち込んでる感じには見えない。
 「そっか」と無難(ぶなん)な言葉を返していたら、澪音くんと私の間に永遠が割って入ってきた。

「そっか、じゃあサヨナラだな。行こうぜ要芽!」
「え? あ、うん」

 澪音くんとの会話をムリヤリ終わらせて、永遠が私の手首をつかんで引っぱる。
 なにをそんなに急いでるのか知らないけど、ちょっと強引だよ!?