宝石アモル〜呪いを祓う転校生〜

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 そのままお昼に春花さんの手作りオムライスをいただいて、午後から石を探すお手伝いをすることになった。

 リオくんとオウちゃんには石の中に戻ってもらって、私たちは三人で外に出る。

「ディコルは色んな人の手を渡ることで悪い感情をため込んでいくわ。だから通常のジュエリーショップで見つけることができるのは呪いがかけられてあまり時間がたっていない宝石ばかりなの」
「そうなんですか」

 春花さんの話を聞きながらワクワクが止まらない。
 ジュエリーショップ……なんて素敵な響きなんだろう。

 私のお母さんはそんなオシャレなお店に行くことはないから、ジュエリーショップなんて百貨店とかでチラッと見たことしかない。
 はじめはそういう宝石専門店に行けるのかなって思ったけれど、どうやらちょっと違うみたい。

「そういう呪いがかけられたばかりの石を見つけることも大事だけれど、今回はもっと人の手を渡ってきた石を探してほしいのよ」
「人の手を渡ってきた石、ですか?」

 具体的に想像できなくて、春花さんの言葉をそのままオウム返しで聞いた。
 そういうのはどうやって見つけるの? って首をかしげていたら永遠が答えてくれる。

「いわゆる質屋(しちや)ってやつだよ。いらなくなった貴金属(ききんぞく)を買い取って、それを売ってるところに行くんだ」
「ああ、CMとかで見たことあるよ」

 街でものぼりとか見たことはあるけれど、売るようなものもなければ買えるようなものもない私には関係ないと思ってスルーしてた。
 でもたしかにそういう場所なら人の手を渡ってきた石が見つかりそう。