宝石アモル〜呪いを祓う転校生〜

『わたしの姿どう? カナメちゃん、ネコ好きだったよね?』
「う、うん……でも、私ネコアレルギーで……」
『知ってる! だから飼えないしさわれないって言ってたもんね。でもわたしなら大丈夫だよ! あくまで石の精だし、本物のネコみたいに毛が飛んだりとかしないもん!』
「じゃ、じゃあぎゅーっとしても大丈夫なの?」
『うん!』

 うそ、本当にいいの?
 私が、ネコちゃんをギューッとしても。

 うっかりさわったら手がかゆくなるし、ちょっと長めに近くにいるだけで目がかゆくなって鼻水がすごいことになっちゃうのに……。

 恐る恐るオウちゃんの頭やのどをなでてみる。
 ゴロゴロってのどを鳴らして気持ちよさそうに目を細くする様子に、私は()えられずオウちゃんを抱っこした。

「かっ……かっわいいぃー!」

 もふもふで、やわらかくて、とってもかわいい!

 石以外でも私が好きなものの中でネコはダントツだった。
 でも、ネコアレルギーがあるから写真を見るだけでガマンしてたのに……。

 アレルギー気にしないでこんなにさわれるなんて!

「ニャァーン」
『いっぱいギュッてしていいよ! カナメちゃんとふれ合えてうれしい!』
「私もうれしい! ありがとうオウちゃん!」

 そうして私は初めてのネコちゃんを堪能(たんのう)したんだ。