宝石アモル〜呪いを祓う転校生〜

 スゥッと、なんとなく春花さんの雰囲気が変わった気がした。
 声をかけちゃいけないような、緊張感のある雰囲気。

 思わずゴクリとつばを飲み込んだら、さっきのスイと同じような煙が春香さんの手から抜け出してくる。
 今度は緑じゃなくて白い煙だったけど。

 その煙が形を整えていくと、永遠が驚いた声を上げた。

「えっ!? 人型!?」

 そう、石の精としてのリオくんの姿は人型だった。
 煙がどんどん生きているものの質感(しつかん)になってく。
 手足が肌色になって、サラサラな銀色の髪が()れる。
 意志の強そうな目は黒水晶と同じ黒。

 煙がなくなるころには、私と同じくらいの年ごろの男の子がいた。
 少し長めの銀髪をもつキリッとした和風顔のイケメンは、自分の体を見回しながら満足そうにうなずく。

「すごいな。でも確かにこれならカナメを守りやすい」

 その声は確かにリオくんを持っているときに頭に響くものと同じ。

 でも石の精はふれないと声が聞こえないんじゃ無かったっけ?
 スイはさわらないと声が聞こえなかったのに。

 あ、でも鳥の鳴き声は普通に聞こえていたからおかしくはないのかな?

 自分で答えを見つけつつもビックリする私。
 この家に来てから驚くことばっかりだよ。