宝石アモル〜呪いを祓う転校生〜

「よっしゃ! ど? キレイに決まったと思わない?」
「思うけど……」

 女子に騒がれるのに()れているのか、澪音くんは彼女たちを気にも()めずにドヤ顔をする。
 キラキラした青い目を見ればほめて欲しいんだろうなってのはわかるんだけど……。

「それよりもボール取って来て。せっかく全部カゴに入れたのに」
「うわっ、つれないなぁ。ちょっとはほめてくれたっていいじゃんか……わかってるよ、ちゃんと取ってくるって」

 ふてくされつつも元々取って来てくれるつもりだったのか、すぐに落ちたボールを(ひろ)いに行く澪音くん。

 シュートを決めてカッコイイとは思うけれど、それ以上に片づけの邪魔をされてムカッとしちゃったんだもん。
 ほめようなんて思えないよ。


 それにしても、なんで澪音くんは会う度私に絡んでくるんだろう?

 ひと月くらい前にひじをすりむいて、たまたま保健室にいた澪音くんが手当てしてくれた。
 先生がいなかったし、保健委員で慣れてるからって。
 その後くらいから会えばかならずと言っていいほど声をかけられてる。

 宝石のこと以外はごくごく平凡、運動は平凡以下。
 そんな私のどこが気に入ったのかな?
 ……もしかして心配されてる? 運動オンチでケガしやすいって思われてるとか?