宝石アモル〜呪いを祓う転校生〜

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「はよっ! ちょっと遅かったな?」

 図書館前で待っていた永遠はすずしげな顔を笑顔に変えて気安い感じであいさつしてくる。
 私の前ではいつもぎこちなかった永遠だったけど、昨日の一件のおかげか気安さが出て普通にさわやかイケメンっぽく見える。

 あんまり関わらないようにしようって最初に思ったけど、私の宝石好きを知ってもこんな風に接してくれるならもう平気かな?
 私ばっかり警戒しても仕方ないし。

 ま、シゴトを手伝うかどうかは別として、友だちではあるのかな?

「遅いって言ってもほんの数分でしょ? こまかい男はモテないって聞くよ?」

 時間前にはつくように家を出たけれど、気分が落ち込んでいたせいか歩くのが遅くなっちゃったみたい。
 それでもほんの二、三分すぎたくらいなんだからいちいち言わなくてもよくない?

「そうか? まあでも別にモテたいって思ったことないし。それより早く行こうぜ」

 私の文句も気にした様子はなく、笑顔で歩き出す永遠。
 私だけが不満そうにしているのがバカらしくなって、素直について行った。


 十分ほど歩いた先にあったのは普通の一軒家(いっけんや)
 新築(しんちく)ってほどでもないけれど、そこまで古い感じもしない。