宝石アモル〜呪いを祓う転校生〜

「どうしても外せない用事ってなに? お母さんにも準備してもらって……私だって要芽が家に来てくれるの楽しみにしてたんだよ?」

 ちょっと声が震えてる気がする。
 でも、理由を話しても分かってもらえるのかどうか……。

 石にかけられた呪いのディコルってやつに(ねら)われるようになっちゃったから、できるだけ早く守りの強化をしなきゃならない……なんて。

 そんなこと言っても信じてもらえなさそうだしなぁ。
 言葉にしようとしたらなおさらあり()ないって思ったもん。

「その、なんていうか……私の身の危険っていうか……それで対策(たいさく)うたなきゃないっていうか……」

 本当のことを話せないからあいまいな言葉で伝えるしかない。
 こんなんでちゃんと伝えられてるのかな?

 せめて悪いって思ってることだけは伝われ! って思って、もう一度私は頭を下げた。

「ほんっとーに、ごめん!」
「……」

 しばらくの沈黙(ちんもく)
 気まずくて顔が上げられない。
 でも、小さなため息と一緒に「……わかったよ」と、了解の言葉が聞こえて私はホッとして顔を上げた。