宝石アモル〜呪いを祓う転校生〜

『まったく、案の定面倒なことになったな』

 リオくんの、ため息まで聞こえてきそうな声に苦笑いするしかない。
 確かに面倒だよねって思うもん。

「今朝はね、リオくん……この黒水晶が守ってくれたみたいなんだ」
「これは?」
「おばあちゃんから貰ったんだけど、明護の女の子をずっと守ってきた護り石なんだって」
「へぇ、そういうの持ってたのか」

『じろじろ見るな』

 興味深そうにまじまじと見る永遠に、リオくんは嫌そうな声を隠しもしない。
 まあ、私にしか聞こえないんだろうけど。

「あんまり見るなって言ってるよ?」
「え? あ、悪い。まあでもそういう石を持ってるなら話は早いな。明日俺んち来いよ」
「は? なんで?」
「守りの強化が必要だって言っただろ? 今朝は弱いディコルだったから弾けたかもしれないけど、もっと悪意をため込んだやつだったら守り切れないだろ?」
「そうなの?」

 強いか弱いかなんてわからないし、リオくんに意見を聞くつもりで声を上げたけれど。

『は? 僕をなめないでほしいな』

 と、リオくんは不機嫌そうな声を上げるだけだった。
 そんなリオくんの声が聞こえない永遠は、気にすることなくそのまま説明をする。