宝石アモル〜呪いを祓う転校生〜

「っ! 要芽!!」

 私を呼び捨てにして叫ぶ永遠くんの声と同時に、その小さい悪魔が私に向かってなにか黒いものを投げつける。
 それが良くないもので、攻撃されたんだってことはなんとなくすぐに理解(りかい)した。
 でも、元々運動オンチの私は怖くて足がすくんでしまった。

「っ、や――」
『させないよ』

 私が悲鳴を上げる前に、リオくんの落ち着いた声が聞こえる。
 すると、今にも当たりそうだった黒いものがなにかにはじかれて消えた。

「え?」
「なっ!? なんでだ!?」

 私以上に驚く永遠くんと目が合う。
 答えを求められてる気がするけど、私だってわからないよ!

『まったく……カナメ、ソイツに伝えて。早く(たお)さないとまた攻撃されるって』
「え? ええ?」

 非日常的なことが起こる中、リオくんの冷静(れいせい)な声が頭に響く。
 戸惑(とまど)いしかなかったけれど、私は言われた通り永遠くんに言葉を伝えた。