宝石アモル〜呪いを祓う転校生〜

「でもさ、誰でもその力を()られるわけじゃなくて、石との相性(あいしょう)っていうのか? そういうのが合わないと力をもらえないんだって」
『つまり、カナメが相性良かったってことか』
「で、昨日落としたのを香さんが届けてくれて。その後で見たら水晶の光消えてるだろ? だから香さんが? って思って話を聞いてみたらなんか違うし」
「……」
「で、よくよく話を聞いてみれば最初にひろってくれたのが要芽さんだっていうだろ? だから要芽さんが力を()たのかなって」

 どう? って、確信(かくしん)を持っている様子で問いかけてくる永遠くんに私はうなずく。

「うん。確かに昨日その水晶をさわったときから声が聞こえるようになったよ」

 私の答えに永遠くんは「やっぱり!」ってうれしそうに笑顔を浮かべる。
 そういう顔はちょっと可愛くも見えて好感(こうかん)を持てた。

 でも、その(よろこ)びのまま近づいて私の左手をギュッとにぎった永遠くんはテンションが高すぎてちょっと引く。

「ずっと探してた……要芽さん! キミが俺のパートナーだ!」
「え、ええぇ?」
「実は俺の家、代々特殊(とくしゅ)なシゴトをしてるんだけど……そのシゴトをするためには石の声を聞ける人をパートナーにしなきゃなくてさ。だからこの水晶と相性(あいしょう)がいい人をずっと探してたんだ!」
「へ、へぇ……」

 あまりの(いきお)いに(あい)づちもまともに打てない。
 もしかして私が宝石のこと(かた)るときもこんな感じなのかな?

 これはたしかに引かれても仕方ないのかも、ってちょっと反省した。