宝石アモル〜呪いを祓う転校生〜

「あ、香さんおはよう。でもごめん、香さんはもういいんだ」
「え?」
「今用事があるのは要芽さんだから」
「え……」

 永遠くんに素っ気なく会話するのを断られた香ちゃんはポカンと口をあける。
 心なしかショックを受けているようにも見えて私は内心慌てた。

 ちょっ!?
 『もういいんだ』とかそんな言い方したら失礼でしょ!?
 確かに永遠くんは私と大事な話をするところだったけど……。断るにしても言い方があるんじゃない!?

 心の中で叫んでいたけれど、永遠くんは私の心の声になんて気づくはずもなく。
 香ちゃんになにかフォローを入れることもなく私に向き直った。

「要芽さん、行こう」
「え? あ……うん」

 香ちゃんをこのままにしていていいの? って思うけど、話があるのは私も同じだし……。

 迷いながらも永遠くんについて行くと、香ちゃんにキッとにらまれた。
 永遠くんが素っ気ないのは私のせいだとでも思ってるのかな?

 えー? とばっちり? カンベンしてよぉ。

 後からなにを言われるのか。
 それを考えただけで私はため息を止められなかった。