宝石アモル〜呪いを祓う転校生〜

 次の日は学校につく前からドキドキしてた。
 もちろんどちらかというと悪い意味で!

 だって、学校に宝石を持って行くなんてバレたらすぐに没収(ぼっしゅう)されちゃう。
 この間のこともあるから、長谷川先生絶対鬼の形相(ぎょうそう)になるよ。

 (ほとけ)の顔も三度までとかいうらしいけれど、きびしい長谷川先生は三度目までもたないから。

「……本当に大丈夫かなぁ?」

 登校中不安になった私はハーフパンツの左ポケットにそろっと手を入れた。
 こっちにはトパーズの指輪を入れてある。

『わくわく! カナメちゃんと学校、楽しいなぁ!』
「バレたら没収(ぼっしゅう)されちゃうんだからね? わかってるの? オウちゃん」

 石の部分にふれたとたんのんきな声が聞こえて思わず注意しちゃう。

 オウちゃんっていうのはトパーズの和名・黄玉(おうぎょく)から取って名づけた。
 ずっとトパーズって呼んでたら『リオくんだけ名前つけてもらっててうらやましい!』って言い出したからつけてあげたんだ。

『わかってるよぅ』
「もう」

 あきれてため息をついた私は、左手をぬいて今度は右ポケットに手を入れる。
 こっちにはリオくんが入ってる。

『やっぱりなんだかイヤな感じがする。カナメ、気をつけろよ?』
「気をつけろったって……」

 こっちはこっちで私とは違う意味で緊張してる感じ。

 私は長谷川先生にバレないように気をつけるので精一杯(せいいっぱい)だよ。