宝石アモル〜呪いを祓う転校生〜

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「たっだいまー」

 ドアを開けると同時に声を上げた私は、そのまま手洗いうがいを終えわらせてまっすぐ自分の部屋に向かう。

 キラキラを!
 今はまっ先にキラキラを補給(ほきゅう)したいの!

 部屋に入ったとたん私はランドセルを(ほう)り投げ、パワーストーンなどを置いている(たな)の前に立った。
 そして一番目立つところに置いてある直径三センチくらいの黒水晶(くろすいしょう)(たま)を手に取る。
 浄化(じょうか)のために下に置いてある透明な水晶のさざれ石が、かすかにジャラッと音を立てた。

「ただいま、リオくん」

 キラキラを摂取するならもっと透明度のあるカットされた宝石を見た方がいいんだけれど、これはいつもやってるルーティンみたいなものだから(はず)せない。

 この黒水晶は父方のおばあちゃんが私にくれたものなんだ。
 明護の家の女の子を守ってくれるように受け()がれてきたんだとかなんとか。

 まあむずかしい話はともかく、黒水晶は魔除(まよ)けとか浄化って意味があるからこうしていると心が落ち着く。
 黒水晶はモリオンとも言うから、そこから取ってリオくんって呼んでるんだ。