宝石アモル〜呪いを祓う転校生〜

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 思った、けど。
 さすがにこれは声をかけなきゃいけないよね?

 五時限目の図工の授業中。
 色んな場所から校舎を()くためにみんな外に出てバラバラに()っていた。

 私は人気のない校舎裏の花だんから見た校舎を描いていたんだけど、ちょっと前に早くも人気急上昇中の転校生・永遠くんがここを通りかかったんだ。
 私を発見したとたん、ビクッと驚いてギクシャク変な動きをしていなくなっちゃったけれど。

 で、そのときに落としたっぽいものを見つけてしまった。

 地面に落ちた(こん)色の巾着袋(きんちょくぶくろ)
 そして開いた口から転げ落ちている直径二センチくらいの水晶玉(すいしょうだま)

 これ、私が持って行ってあげないと永遠くん困るよね?

 学校に持ってきちゃうくらいなんだから永遠くんの大事なものだと思うし。
 もしかしたらすぐに気づいて取りに来るかもしれないけれど、地面に転がった透明(とうめい)で綺麗な水晶玉をこのままにはしておけない。

 くぅーっ! 関わらないようにって思ったばっかりなのに!
 でもこんなに綺麗な水晶玉、地面に転がったままになんてできないよ!