宝石アモル〜呪いを祓う転校生〜

 そんなやり取りを(ひそ)かにしていた私の横で、澪音くんと永遠がまた言い(あらそ)いをはじめてる。

「なんにしたって要芽にとってお前が危険な存在なのはたしかだろ? あんまり近づくなよ」
「えー? なんだよ嫉妬? さっきも『要芽は俺のパートナーだ! お前なんかに渡さない!』とか言ってたもんな」
「なっ!? 本人の前で言うなよ!」

 あたふたする永遠は私と目が合うとカァ! って一気に顔を赤くさせた。

「あ、コーラル永遠だ」
「は? なんだよコーラルって」

 不思議そうな永遠の顔色が一気にもどる。

「ん? なんでか永遠って私を見るとたまに顔真っ赤にするからさ。その赤さがサンゴみたいだと思って」
「……勝手に変な呼び方するなよ」

 力が抜けたようにうなだれる永遠。
 そんな永遠を(あわ)れむような目で澪音くんが見てる。
 仲が良いのか悪いのかわからない二人だね。
 一応敵対してるからどちらかというと悪いんだろうけど。

 そんな二人を見比べていると、澪音くんは小さく息をつき視線を永遠から私に変えて笑った。

「まあ、これからも呪われた石を(うば)い合うことはあるかもしれないけれど、よろしくな」
「どんなよろしくよ、それ」

 今度は私がため息をつく番。
 呪われた石を(うば)い合う関係なんてゴメンだ。
 でも、それは避けられないことなのかもしれないとも思う。
 だって、私は永遠のシゴトを手伝うって決めたから。