宝石アモル〜呪いを祓う転校生〜

「……またって、こんなことがあったのに普通に学校来るつもりなの?」

 【アダマース】に(ぞく)する闇の生き物・ヴァンパイアだって私たちにバレたのに。

「まさかとは思うけど……あの言い方だと来るんだろうな」

 永遠もなんだか嫌そうな顔をしてる。
 そうだよね、普通バレたから学校には行けないとかならないのかな?

 疑問だったけれど、その後すぐに柚乃とおばさんが目を覚ましたから話は中断(ちゅうだん)するしかなかった。


「んー? あれ? なんで私キッチンで寝てたの?」
「そうね、お客さんが来ているのに……でもなんだかスッキリしたわ。イライラしてたの、寝不足だったのかしら?」

 二人で首をひねっていたけれど、明確(めいかく)な答えは出てきそうにないみたい。
 澪音くんが来ていたことも覚えてないみたいだったから、私たちはさっきの出来事をなにも話さないことにした。

 リビングで待っていたけど中々戻ってこなくて、様子を見に来たら二人とも寝てたってことにする。
 変な話ってなっちゃうけど、知らない方がいいこともあるよね。