宝石アモル〜呪いを祓う転校生〜

「カナメ!」

 呼ばれて伸ばされたリオくんの手を取って、永遠がいるところまで戻る。
 そしたらオウちゃんも私のところに戻ってきてトパーズの中に戻った。

「かなちゃん、ひどいよ……」
「澪音くんだってひどいでしょ? 血が目的だったなんて……ショックだよ!」
「そ、それはそれだろ? それに最初は血が目的だったけど、かなちゃんのこと知っていくうちに面白い子だなって思ったし……友だちだと思ってたんだ」
「だったらなおさら血と交換だなんて言わないでよ!」

 澪音くんの言葉が本当でも、ショックを受けたことには変わりない。
 私が怒るのは当然だよね!?

 怒り続ける私に澪音くんは「はぁー」って深いため息をついた。

「あーあ……まあ、今回は仕方ないよな。かなちゃんの血はまた次の機会に取っておくよ」

 って!
 私の血あきらめてないんじゃない!
 友だちの血を吸おうとか、なに考えてるの!?

 また怒鳴ろうと思ったけれど、澪音くんは全開にされていたキッチンの窓わくにヒョイッと飛び乗った。

「じゃあまた明日、学校でな!」

 バイバイ、と軽く手をふって澪音くんは出て行ってしまう。