宝石アモル〜呪いを祓う転校生〜

「まさか、それで私を気にかけてくれるようになったの?」
「ま、そういうこと。近くにいればまた飲めるかなって思って」
「なっ……!?」

 まさか、そんな理由で気にかけてくれてたなんて……。

 正直、ショック。
 でも、すぐにわき上がってきた感情は悲しさよりも怒りだった。

 そう……そんな理由だったんだ。
 じゃあ、私も遠慮(えんりょ)しなくていいよね?

「……いいよ、私の血と交換(こうかん)ってことで」

 ふつふつとわき上がる怒りを胸の奥に宿(やど)らせて、私は澪音くんの提案(ていあん)をのんだ。

「おい!?」
「カナメ!?」

 心配の声を上げる永遠とリオくんに「大丈夫だから」って笑顔を見せる。
 リオくんはそれでも納得(なっとく)できないのか私の腕をつかんで止めた。

「ダメだカナメ、そんなこと――」
「リオくん」

 説得(せっとく)しようとするリオくんの名前を強く呼ぶ。