宝石アモル〜呪いを祓う転校生〜

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 そんな夜をすごした翌日。

「はい、みんなに今日から一緒に勉強するお友達を紹介します」

 朝の会の合間に長谷川先生がメガネをクイッとさせて伝えてきた。
 てか、いい加減(かげん)メガネ直してもらいに行けばいいのに。
 もうクセになっていそうだなってあきれていると、長谷川先生の「入っておいで」という声に男の子が一人教室に入ってくる。

 サラサラなこげ茶色の髪と切れ長な茶色の目。
 整った顔立ちは涼しげで、緊張なんてしていないみたいにスタスタと歩いて長谷川先生の近くに立った。

 見た目はクールイケメンって感じなのかな?
 恋バナ好きなクラスメートがヒソヒソ話している声が聞こえてきた。

「ねえ、かっこいいんじゃない?」
「だよね? 六年生の澪音くんとはり合えるかも!」

 ザワザワとさわがしい中、先生が黒板に大きくふりがなつきで彼の名前を書いていく。

 金剛(こんごう)永遠(とわ)

 なんかすごい名前だな。

「永遠くんはお家の事情で先月引っ越してきたそうです。みなさん、仲良くしてあげてください」
「「「はーい」」」
「じゃあ永遠くんはあいてる席に座ってね」
「……はい」

 転校生の自己紹介とかしないんだ? って思いながら永遠くんが近くに来るのを見ていた。
 うん、となりに机が増えてるなーとは朝から思っていたけれど……やっぱりどう考えても永遠くんの席は私のとなりだよね?