年が明けた。
空はうららかで、晴れ晴れとした二条の院には、ご挨拶のためにたくさんのお客様がいらっしゃる。
どなたの表情も穏やかなの。
政治がよい具合に安定していて、源氏の君も内大臣として尊敬されていらっしゃるのね。
そうそう、二条の東の院に移っていらっしゃった花散里の君。
ご実家では貧しく寂しくお暮らしだったけれど、今はとてもお幸せそうよ。
女房も女童もお行儀のよいきちんとした人ばかりで、女君のお人柄がうかがえるわ。
正直なところ、わざわざ夜に出かけていく魅力のある女君ではないの。
でも、東の院にお移りになってからは、昼間に源氏の君がふらりとお顔を見せにやっていらっしゃる。
お泊まりになることはないけれど、花散里の君は満足していらっしゃる。
<私はこのくらいの運命なのだ>
と、おっとり受け止めておられるの。
そうなると源氏の君はますますこの女君をご信頼なさって、経済的には紫の上と同格の扱いをなさる。
すると自然と世間からも大切にされて、二条の院に負けないほど立派なお暮らしぶりになっていかれた。
空はうららかで、晴れ晴れとした二条の院には、ご挨拶のためにたくさんのお客様がいらっしゃる。
どなたの表情も穏やかなの。
政治がよい具合に安定していて、源氏の君も内大臣として尊敬されていらっしゃるのね。
そうそう、二条の東の院に移っていらっしゃった花散里の君。
ご実家では貧しく寂しくお暮らしだったけれど、今はとてもお幸せそうよ。
女房も女童もお行儀のよいきちんとした人ばかりで、女君のお人柄がうかがえるわ。
正直なところ、わざわざ夜に出かけていく魅力のある女君ではないの。
でも、東の院にお移りになってからは、昼間に源氏の君がふらりとお顔を見せにやっていらっしゃる。
お泊まりになることはないけれど、花散里の君は満足していらっしゃる。
<私はこのくらいの運命なのだ>
と、おっとり受け止めておられるの。
そうなると源氏の君はますますこの女君をご信頼なさって、経済的には紫の上と同格の扱いをなさる。
すると自然と世間からも大切にされて、二条の院に負けないほど立派なお暮らしぶりになっていかれた。



