明石から都までは、人目につかないよう船でお行きになる。
早朝に明石をお離れになった。
海辺には朝の霧がただよっていて、悲しいお別れの光景だった。
入道は放心したように、遠ざかっていく船をぼんやりと見つめている。
尼君は船が岸から離れていくと、思いがあふれてお泣きになる。
「すっかり明石での暮らしになじんでおりましたのに、捨てた都に戻らねばならないなんて」
明石の君もうなずいて、
「私も同じ気持ちでございます。心細うございます」
とお嘆きになった。
早朝に明石をお離れになった。
海辺には朝の霧がただよっていて、悲しいお別れの光景だった。
入道は放心したように、遠ざかっていく船をぼんやりと見つめている。
尼君は船が岸から離れていくと、思いがあふれてお泣きになる。
「すっかり明石での暮らしになじんでおりましたのに、捨てた都に戻らねばならないなんて」
明石の君もうなずいて、
「私も同じ気持ちでございます。心細うございます」
とお嘆きになった。



