野いちご源氏物語 一八 松風(まつかぜ)

<ずいぶんあっさりと認めてくださったが、それに甘えて姫をここに迎えてよいものだろうか。母親の方はどうしたものか。やはり二条(にじょう)(ひがし)(いん)に入るつもりはないのだろうか>
とお悩みになる。
たびたび大堰(おおい)(がわ)の別荘を訪問なさるのは難しい。
嵯峨(さが)のお寺に行かれたついでに、月に二度ほどお通いになる。
年に一度しか会えない七夕(たなばた)織姫(おりひめ)彦星(ひこぼし)よりはましだけれど。

明石(あかし)(きみ)は、
<私の身分では、これ以上頻繁(ひんぱん)にお越しいただきたいというのは高望みだろう>
と思っていらっしゃるけれど、もちろん平気でいられるものではないわ。