二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

~煌~

「じゃあ行くか~」



そう言うと緊張したようにうなずく惺音。



なんかこの前から変なんだよな…。



俺のこと、意識しだしたか…?



「お。俺があげた簪つけてくれてんじゃん」

「ま、まあね。デザインが気に入ってるから…」



言い訳するようにそう言う惺音に俺は笑いそうだった。



そう思ってたら、急に惺音の腹からぐぅ~と音が鳴った。



惺音の顔が赤くなった。



俺はたまらず吹き出す。



「午前中ずっと働いて疲れたな~? 惺音チャン」

「う、うるさいよっ」



ったく…こういうところがかわいいんだからどうしようもない。



俺は惺音を連れて適当にその辺の焼きそばを売ってる店に入った。



『夏祭り風』と称したそこの焼きそば屋の提灯は、明らかに鬼火。



まあ普通の火を扱うより危なくないが…。



俺は苦笑する。



俺のクラスが言えたことじゃないが、何でもありだな…。



でも今日はいつもの人間の姿をするための妖術を使ってないのでかなり楽。


楽すぎてうっかり普通に妖術使いそ…。



目の前でうまそうに焼きそばを食う惺音を俺は眺める。



ドレスと焼きそばが合ってねえな…。



でもやっぱりかわいいと思うのは相当俺が惺音に惚れてる証拠。



食べ終わったあとの空の容器を受け取った俺はそれをゴミ箱に捨てる。



そのとき、店の中に碧がいるのが見えた。



「碧」

「おお、煌」

「なんで4人分も持ってるんだ?」

「いや、水槽入りっぱなしのあいつらにも持ってってやろうと思って」



おお、なんだかんだで気遣ってるんだな…。



碧は4人分の焼きそばを持ってさっと店をあとにした。