二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

でもそんなことに気づいてない蘭がニコニコと煌に「おかえりー!」と言った。



「もういいの? お母さん」

「おお、一応。容体は安定したから戻ってきた」

「惺音ちゃんだけじゃなくて俺たちにも知らせてよ」

「惺音は寂しがりだから。な?」



煌がそう言ってあたしに目配せした。



あたしは咄嗟に目を逸らす。



絶対顔赤い…。



さすがに蘭も何かを察したのか、「なに~? 2人して、嫌な感じ…」と白けた顔をした。



「別になんでもねえよ。それより惺音。これやる」



そう言って煌が懐から何かの包みを取り出した。



なに…?



そっと開くと、中にはあたしが莉子に会う日に欲しがってた簪が入ってた…。



「煌、これ…」

「欲しがってただろ」

「そっ、そうだけど…なんで…」

「お前にあげたかったから」



そう言う煌にあたしはドギマギしてしまう。



「その顔は喜んでる顔だな?」

「ほ、欲しかったやつだからねっ。あ、ありがと…」

「ん、良かった」



優しく笑う煌にやっぱりあたしの顔は赤いままだった。



「惺音ちゃん…顔真っ赤…」



蘭があたしの顔を覗き込む。



「そ、そんなことないっ! それより早く帰ろっ」



あたしはドギマギする心を抑えながら、みんなで家路に着いた。