二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「この度は、まことにご迷惑をおかけしました。そして、二度にわたり卑しき野狐を捕らえていただきまことにかたじけない」



あたしはそんな定毘古に言う。



「それより、あたしの妖力、早く返してくれませんか。それがなければ妖丹を飲んだところで何の意味もないんですけど」

「ああ、そうだったね。…ここに」



そう言って、小瓶に入れられた赤い炎をまとったあたしの狐玉があたしの前に置かれた。



あたしの顔はパアアと輝く。



これ! これを求めてたの!



あたしはそれを急いで手に取ると、口に含んでゆっくりと飲み込んだ。



体中に力が行き渡るのが分かる。



「惺音ちゃん、試しに狐火出してみてよ」

「いいよ」



そう言ってぼわっと手元から狐火を出した。



蘭が歓声を上げた。



「じゃあ…定毘古。あたしたちは帰りますね」

「本当に迷惑をかけてすまなかったね」

「いえ…では!」



あたしたちは何度も頭を下げる衛士たちを後目に衛府をあとにした。



衛府を出てから、煌のことをじっと見る。



「なんだよ」

「煌…お、おかえり!」



あれっ、なんか普通に言えない!?



な、なんか夢の中で会った煌のことを思い出して…。



ど、どうしたのあたし…。